「ヤダあァッ!! ヤダヤダヤダヤダヤダーッ!!!」
「嫌だつったって、おめェ…自分じゃ治療できねェだろ。」
「治る! 寝てたら治る!」
「治る訳ねェだろ。どっかのアホ剣士みてェなこと言ってんじゃねェ。」
「ぁんだと、クソコック!」
「治療が終わったら、わたあめでもりんごあめでも買ってあげるから。ね?」
「やあだーーっ!!」
宥めたり賺したり。あれこれ言い聞かせていたクルーたちは、駄々っ子のように泣き喚くチョッパーに揃って深い溜め息を零す。
ほんの数刻前、出会った海賊と一戦交えた。割と骨のある海賊団だったものの、もちろん麦わら海賊団が負けるはずもなく。お宝もがっつり頂いた訳だが、その戦闘の際にチョッパーが怪我を負った。
それも、よりにもよって利き腕に。
簡単な手当程度なら、ナミやロビン、ウソップだってできるが傷は深く、これは素人では治療できないと、目についた島に立ち寄った。
のだが。
「…ック、ヒッ…ヤダァ〜…」
その問題のチョッパーが病院に行くのを嫌がって、ゾロの頭にしがみつき泣きじゃくっているのだ。
無理矢理引き剥がそうとしても、剥がれない。ルフィが思いっきり引っ張ったら、首がもげるとゾロが悲痛な叫びを上げていた。
それから懇々と言い聞かせ続けているのだけれど、泣きじゃくるチョッパーは嫌だの一点張りだ。
医者が病院にかかるのを恐がるとは。一体どうしたら良いものか。
と。
「ヒック…ヤガッ?!」
「「「ガ???」」」
奇妙な声が上がり、チョッパーの周りを取り囲んでいたクルーたちは揃って首を傾げる。
その奇妙な叫びを最後にくてんと垂れたチョッパーの頭の向こう、ゾロの凭れる壁に生えた腕一本。ぽかんと見ているクルーに向かってひらりと揺れると、花弁となって散り消えて。
「この方が手っ取り早いでしょう?」
「「ロビン…」」
にっこり笑ってあっさり最終手段を行使した考古学者の微笑に、何人かはほっとしつつもかくんと首を垂れた。
「…ック…ヒック…」
「よく頑張ったな、チョッパー。今日はてめェの好物、沢山作ってやるからな。な?」
「男がいつまでもぐずぐず泣くな。」
意識が飛んでも剥がれないチョッパーを頭に乗せたゾロと、サンジとで病院へと連れて行った帰り道。サンジは甘やかしつつ、ゾロは厳しい口調で嗜めつつ、港への道を辿る。
その姿はまるっきり親子にしか見えず、街の人々は微笑ましく眺めていたのだけれど、当人たちには与り知らぬこと。
夕焼けに長く伸びる三人の影は、やがて坂の向こうに消えて行った。
あっはっはっはっは!楽しかった!
いやあ、某サイト様で利き腕一本で自分の治療もしちゃう名医なチョッパーを見ましてね。じゃあ、利き腕を怪我したらどうだろうと思ったんですよ。
んで、ドクトリーヌの的確ながら荒っぽい治療を見てきたんだし、自分が治療されるのは恐いとかがったら面白いよなぁと思って。
書いてみたら、凄い楽しかった。(笑)
あ。sssってカテゴリを追加しました。sssを書いてる日の日記はそっちに入れることにしま。
まあ、後で全部sssページに移すんですが。そうしとけば自分が探し易い…。(爆)
てーか、大体いつも、カテゴリー変更すんの忘れて『日常』に入ってんですけどね!(死)
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