「か、がみくんっ! その手…どうしたんですかっ?!」
「おー。近所の犬になー。」
二限目が始まる頃漸く登校してきた火神を見て、盛大に息を飲んだ。
左手に真っ白な包帯。駆け寄って問えば、いつも吠え立てる近所の犬に咬み付かれたのだそうだ。火神は「大したことねぇよ」などと言うが、そっと触れれば、腫れて熱を持っているのが解る。
「病院には…」
「行ってきた。つか、飼い主が慌てふためいてなー。」
ほとんど連行、なんて笑って、何をのんきな。ぎゅうっと眉根を寄せていると、逆の手がぽふぽふと頭を撫でる。
「昼にも包帯替えろって言われてんだけど、オマエやってくんね?」
言いながら覗き込む瞳は、安心させるように柔らかく綻んでいて。
頷くと、大きな手がもう一度、あやすように頭を撫でた。
ところがである。
「っっ!!」
昼食後、薬を付け替える為にガーゼを外して、再び大きく息を飲んだ。
どこが大したことないと言うのだ。未だ鮮血の滲み出る傷は存外深い。己の顔から血の気が引いて行くのが解る。
「おい、大丈夫かよ。オマエ、顔白いぞ?」
「だ、いじょうぶ、です。」
そんな様子に気づいた火神が頬を撫でて、黒子は指先を震わせながらも傷口に消毒を施す。
「…咬んだ犬は、どうしました?」
「? どうしたって?」
「保健所には?」
「…オマエ、犬嫌いだっけ?」
真新しいガーゼを当てながらの言葉に、火神が目を丸くする。
酷いことを言っているとは思う。だけど…
「嫌いじゃありません。でも、火神くんの手をこんなにした犬は嫌いです。」
火神の手にこんな酷い傷をつけた犬のことは許せそうにないのだ。
包帯を巻き終えた指先をきゅっと握り締めると、またもあやすように頭を撫でられ顔を上げる。
見れば火神は、嬉しそうに目を眇めていて。
「んじゃ、早く治るように、まじない、してくれよ。」
ねだる言葉にこくんと頷くと、黒子は火神の手をそっと持ち上げた。
いつだか、自分が額に怪我を負った時に火神がしてくれたのと同じように、
「早く、良くなってください。」
その手に柔らかなキスを。
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ネタにしてみたよ☆
明日、会社に行ったら、みんなに驚かれるんだろうなぁ。そんでビビられるんだろうな。病院行ってないとか。
ちなみに、うちのバカタレは、他人を咬んだら保健所行きです。今んとこ、身内(おかんとアタシと叔母さん)しか被害にあってないんで許されてますが。
許されてるつっても、今回の件はもちろんまだまだ許してませんけどね!
そしたら逆ギレなのか、ヴーヴー言うので、またおかんとアタシに怒られるループ。バカです。
そういや、バカタレをバカタレに育て上げた張本人・じじいが「バカ犬に育ててすみません」言ったよ!(笑)
いや、実際に言ったのは「すみません」だけだけどね。意味はそんなとこ。
今まで、怪我の程度は軽い酷いあったにせよ、一度もそんなこと言ったことなかったのに!
おかんに相当言われたらしいです。(笑)
それはともかく、この包帯の巻き方、指の股が痛いよママン。
巻き直して寝よ。
拍手ありがとうございましたv
8000HITありがとうございます!
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