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ぐだぐだな日常
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――どこ行ったんだ、あいつ…
 気づけば姿が消えていたから、てっきり先に来ていると思っていたのに、店内に黒子の姿はなく、首を傾げつつ窓際の席に座る。
 今日は土曜日、練習は午前中のみで、どこかに遊びに行くことはできなくても、午後はゆっくりイチャベタできると思っていたのに。火神は眉間に盛大に皺を寄せてバーガーを口へ放る。
 そのバーガーも、黒子が目の前にいないと言うだけで、やけに味気ない。休日の店内の騒々しさも今日は気に喰わなくて、適当に咀嚼し飲み込んでしまうと、ガタンと椅子を鳴らし立ち上がる。
 と。
「何だ、あの行列?」
 マジバーガーの斜め向かい、アイスクリーム店に何やら長い行列ができている。
 新商品か限定品でも出たのだろうか。しかし、火神にはあまり興味はなくて、行列を横目に家へと向かう。
「あ。火神くん。」
 そこへ飛んでくる、聞きなれた声。振り向けば、黒子がアイスを手に件の店から姿を現す。
「何やってんだ、オマエ。」
「見て解りませんか? アイス買ってたんです。」
 とてとてと近づいて来て見せるそれは、やはりバニラアイスだろう。それは解るけどよ、と口の中で返して、火神は行列をくいっと顎で指す。
「そうじゃなくて、オマエ、これに並んでたのか?」
「はい。」
「何の行列だよ。」
「今日はアイスクリームの日なので、募金をしたら好きなアイスを1つもらえるんです。」
「へぇ…オレにも一口。」
「嫌です。火神くんの一口は大きいので、なくなっちゃいます。」
 食べたいなら、並んだらどうですかと言われ、列の長さにうんざりと顔を歪める。この列に並んでまで食べたいとは思わない。それに、折角会ったのに、並んでいる間に帰られては困る。
「いや、いい…」
「そうですか? じゃあ、これ食べさせてあげます。」
「あ?」
「火神くんと食べようと思って買って来たんで。」
 あーんって食べさせてあげますよ、と、悪戯っぽく笑う黒子は逆の手に提げていた袋を目の前に持ち上げてみせて。
「ボクの家と火神くんの家、どちらにしますか?」
 それに少々顔を引き攣らせつつ、火神は「早くしないと溶けちゃいますよ」と促す黒子を追いかけた。
「テメエはとろっとろに溶けた方が美味いけどな。」
「………そういうこと言う人には食べさせてあげませんよ。」

 どっちを?










+++++

途中放置になっててすみません;会社のPCで書いてたんだけど、書き始めるのが遅かったもんで、時間切れになっちゃって。
ネタは言わずと知れた、31。一昨年、バイト先近くの店にえらい行列ができてて、何事かとビビった思い出。
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